私の夢

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上手に弾くためのピアノや
一生懸命練習するためのピアノではなく、
心が温かくなるためのピアノを
人生の友とすることができたら、
きっと人生が豊かになると思うのです。
 
ヨーロッパで生活してみて、
自由な雰囲気の中に
様々な人がいることを知りました。
中には真面目な人も、
中にはとんでもない人もいました。
 
日本と大きく違うところは、
人々がそれぞれ好き勝手に生きるのを良しとしていること。
人と違うことをするのは、
悪いことや恥ずかしことではなく、
むしろ格好良いこと。
良い意味でも悪い意味でも、
個性というものを感じました。
 
ピアノにもまた個性があります。
何が良いとか、何が一番とかではなく、
一台一台違う個性。
作られた時の性格も、生きざまも違うピアノが、
同じ音を出すはずはありません。
 
色々なピアノが存在し、色々な好みの人々がいると、
ちょうどぴったりの出会いもあるのです。
他の人とは違っていてもいいのです、
自分が好きならば。
 
日本人にも色々な好みの人がいるはずです。
でも、
こうでなければならない、こういうのが一番、
という観念が強くて、
自分の本当の好みを出せない、
あるいは知らない人が、多くいるように思う。
本当は、
みんな強い個性の持ち主なのではないかと思うのですが、
なぜか人と同じことをしようとし、
同じものを欲しがる。
もっと自由になっても良いのではないのかなあ?
 
日本にも色々な個性のピアノが入れば、
色々な出会いが生まれるかもしれない。
だから私は、
フランスのピアノを日本に紹介していきたい。
さまざまな出会いが生まれ、
人にとってもピアノにとっても幸せな時間が増えれば嬉しい。
 
フランスのピアノが一番ですよとか、
絶対に良いですよ、とは言えません。
ひとつの個性です。
あなたと相性が合えば、幸せが生まれます。
 
フランス人には、肩の力の抜けた人が多かった。
フランスのピアノも、
どこか力の抜けた、柔らかい響きがすると思うのです。
一生懸命弾くのではなく、
やさしく一緒に歌うつもりで弾いて下さい。
そこに幸せな時間が生まれます。