ピアノ修復の作業過程
現役の楽器として甦らせる修復~
現役として使われるためのピアノ修復の作業過程をご紹介します。
修復の作業は、大きく分けて3つの部門に分かれます。
1. 音に関わる部分(弦、響板、ピン板、鉄骨
2. タッチに関わる部分(アクション、鍵盤)
3. 外装

1. 音に関わる部分(弦、響板、ピン板、鉄骨)
 
 
ピアノ解体

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響板修理

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響板が割れている場合は埋め木をします。
まず割れている部分を特殊なノミで開き、同じ材質の木をはめ込んで糊付けします。
削って平らにすると、割れが修復され一枚の板に戻ります。
次に、古いニスをはがし、サンドペーパーできれいにしてから、新しいニスを塗ります。
何度も重ねてニスを手塗りし、響板が完成します。

鉄骨

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掃除をして金色とニスを塗り替えます。
 
ピン板

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チューニングピンを支えているピン板はとても重要な部品です。
いくら他の部分をきちんと修復しても、調律を保てなければ楽器として使えません。
現役で活躍するピアノとして修復する時、このピン板の修理は重要なポイントです。
ピン板の状態が良い場合は、ピン穴を掃除して、さらに太いチューニングピンに取り替えれば良いので、オリジナルのピン板をそのまま使えます。
状態が悪い場合、割れていたり、糊がはがれていたりする場合ですが、その場合にはピン板全体を作り替えます。
ピン板は、ピアノによって形が違うので、既製品を買ってあてがうことはできません。
その都度、個々の形に合わせて作ります。
まずピン板を、形に切り、機械でけずって大まかな形を作ります。
鉄骨にぴったり合わなければならないので、何度も鉄骨と合わせながら、手作業で細かい部分を削ります。
こうして元のピン板と同じ形に作り上げます。
次にピン穴を開け、ピン板が完成します。

 
 
張弦

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新しい弦を張ります。 すべての弦を張った後に、弦をはじきながらピアノを大雑把に調律し、すべての弦のテンションを上げます。


 
2.タッチに関わる部分(アクション、鍵盤)

 
すり減ったフェルトや革、力がなくなったスプリングの交換

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ハンマーフェルトの巻き替え

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ハンマーフェルトの巻き替えは専門業者に頼みます。ハンマーフェルトは、音に関わる重要な部分です。 フェルトは、特殊な機械を使って圧力をかけ、糊づけされます。 低音から高音までのハンマーは1枚のフェルトから作られ、糊づけされた後、切られます。
 
鍵盤

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鍵盤に付いているフェルトを貼り替えます。 象牙鍵盤は、きれいに掃除して使います。 象牙鍵盤はプラスティック鍵盤に比べ、手に馴染みやすく弾き心地が良いです。
 
ペダル

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ペダルは真鍮で作られており、磨くときれいになります。 修理が必要な場合はします。
 
アクション整調

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良いタッチを得るために、88鍵のアクションを均一に調整します。 とても細かい作業が続きます。


3.外装

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1. はがれたり欠けたりした化粧板の修復をします。木目の合う化粧板を選び、糊づけします。
2. 古いニスをはがして、新しいニス、またはワックスを塗ります。
見た目もピアノにとって重要な一面ですので、外装の仕事も大切です。
昔の人は、手をかけておしゃれなピアノをたくさん作りました。

 
仕上げ

調律
音程を整えます。

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整音
音色を作ります。

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以上、ピアノ修復の主な作業をご紹介しました。 細かい部分をお話すればきりがありません。 これ以外にも色々な作業がまだあります。 とても時間と労力がかかる仕事です。
では、なぜこんなに面倒な仕事をわざわざするのでしょうか? 私たち修復師の考えを、次のページでご説明します。