ピアノ修復の作業過程
現役の楽器として甦らせる修復~
現役として使われるためのピアノ修復の作業過程をご紹介します。
修復の作業は、大きく分けて3つの部門に分かれます。
1. 音に関わる部分(弦、響板、ピン板、鉄骨)
2. タッチに関わる部分(アクション、鍵盤)
3. 外装

1. 音に関わる部分(弦、響板、ピン板、鉄骨)

ピアノ解体
007 008 2011_01250036

006 2010_09300022 img_4695

響板修復
2011_11100003 010 011

012 013 2004.06.bluthner67485-17

015 016 017
響板が割れている場合は埋め木をします。
まず割れている部分を特殊なノミで開き、同じ材質の木をはめ込んで糊付けします。
削って平らにすると、割れが修復され一枚の板に戻ります。
次に、古いニスをはがし、サンドペーパーできれいにしてから、新しいニスを塗ります。
何度も重ねてニスを手塗りし、響板が完成します。


鉄骨
2003005b1005d.09.poncage-cadre 018 2010_10250006
掃除をして金色とニスを塗り替えます。

ピン板
019 020 cimg4145
021 022 023

024 025 026
チューニングピンを支えているピン板はとても重要な部品です。
いくら他の部分をきちんと修復しても、調律を保てなければ楽器として使えません。
現役で活躍するピアノとして修復する時、このピン板の修理は重要なポイントです。
ピン板の状態が良い場合は、ピン穴を掃除してさらに太いチューニングピンに取り替えれば良いので、オリジナルのピン板をそのまま使えます。
状態が悪い場合、割れていたり、糊がはがれていたりする場合ですが、その場合にはピン板全体を作り替えます。
ピン板はピアノによって形が違うので、既製品を買ってあてがうことはできません。
その都度個々の形に合わせて作ります。
まずピン板を、形に切り、機械でけずって大まかな形を作ります。
鉄骨にぴったり合わなければならないので、何度も鉄骨と合わせながら、手作業で細かい部分を削ります。
こうして元のピン板と同じ形に作り上げます。
次にピン穴を開け、ピン板が完成します。


 張弦
027 img_544388_41443341_0 013-002820029

img_544388_41443341_1 028 img_7809
新しい弦を張ります。
すべての弦を張った後に、弦をはじきながらピアノを大雑把に調律し、すべての弦のテンションを上げます。



2.タッチに関わる部分(アクション、鍵盤)

 
すり減ったフェルトや革、力がなくなったスプリングの交換
031 032 033

2010_06230030 034 009

2010_09100001 2010_06290001 035


ハンマーフェルトの巻き替え
037 038 cimg4072

cimg4076 2010_06270008 2010_11100001
ハンマーフェルトの巻き替えは専門業者に依頼します。
ハンマーフェルトは、音に関わる重要な部分です。
フェルトは、特殊な機械を使って圧力をかけ、糊づけされます。
低音から高音までのハンマーは1枚のフェルトから作られ、糊づけされた後、切り分けられます。


鍵盤
041 042 043

2010_05200001 2010_05180008 2010_05200002

045 046 2010_07130005
鍵盤に付いているフェルトを貼り替えます。
象牙鍵盤は、きれいに掃除して使います。
象牙鍵盤はプラスティック鍵盤に比べ、手に馴染みやすく弾き心地が良いです。


ペダル
kriegelstein1858-4 052 053
ペダルは真鍮で作られており、磨くときれいになります。
修理が必要な場合は行います。


アクション整調
047 048 2010_06270004

050 049 lemaire-1919-4jpg
良いタッチを得るために、88鍵のアクションを均一に調整します。
とても細かい作業が続きます。



3.外装
056 055 057

2011_06220007 2011_06220002 2011_06220006

059 054 058
はがれたり欠けたりした化粧板の修復をします。木目の合う化粧板を選び、糊づけします。
古いニスをはがして、新しいニス、またはワックスを塗ります。
見た目もピアノにとって重要な一面ですので、外装の仕事も大切です。
昔の人は、手をかけておしゃれなピアノをたくさん作りました。



仕上げ

調律
音程を整えます。
061 _dsc7019


整音
音色を作ります。
062 066
以上、ピアノ修復の主な作業をご紹介しました。
細かい部分をお話すればきりがありません。
これ以外にも色々な作業がまだあります。
とても時間と労力がかかる仕事です。

では、なぜこんなに面倒な仕事をわざわざするのでしょうか?
私たち修復師の考えを、
次のページでご説明します。